全面EVシフトに「待った」

EUで一旦決まった2035年にエンジン車の新車販売を全面禁止する方針を転換し、e-Fuelの使用を前提にエンジン車の販売を継続できることになった点に注目している。

参考記事：EU、雇用保護へドイツと妥協 エンジン車容認もEVシフト「方向性変えず」 - 日本経済新聞

昨今のEVシフトは、国内での自動車需要を背景に新興著しいい中国メーカーの注力によるバッテリーの低廉化とそれを後押しする中国政府の優遇政策に、排ガス不正問題を契機に中国市場でのシェア拡大と目指しEV開発に急転換を進めてきたVWなどが欧州や米国の政策に大きく影響を与えて来た結果と見ていた。今回のEUの方針修正はそれを少し現実解に引き戻すことになり、今回の方針転換を促したドイツ同様に広いすそ野を持ち、さらにはHV車に強みを持つ日本の自動車業界にとっても朗報だろう。

とはいえ、世界的なEVシフトの動きは不可逆であり、圧倒的なコスト競争力を持つ中国メーカーの台頭は間違いない。今後日本国内においてもEV販売の拡大が見込まれる中、弊社でも関連する複数のプロジェクト・ポートフォリオを通じていかに貢献していくか、研鑽を重ねていきたい。